全部、漢方がいいというわけではありません
漢方薬を扱う店ですが、全部、漢方がいいというわけではありません。病院で治療した方が早く、安全な場合には、受診をおすすめします。
一方で、原因がはっきりしなくても、今出ている症状から考えられるのが漢方のよさだと思います。もちろん、必ず治るとは言えません。病院の薬と一緒に使うこともありますし、鍼灸など、薬以外の選択肢もあります。
薬や病院のことは、一般に言われていることと、専門家の見方とで違いや誤解があることもあります。調剤薬局の患者さんや店に来られる方に、正しい知識をお伝えするだけで、困りごとが解決することも結構あるんです。

自分がうつ病になったことが、ある種の強みなのかなと思います
私自身、うつ病を経験しています。自分もそうかもしれないと思ったとき、実際になった人の方が話しやすいということはあると思うんです。
ここに不眠の相談に来る方が多いのも、そのことと関係があるのかなと思っています。病院に行くほどなのかわからないけれど、眠れなかったり、ストレスを感じたりしている。そういう方が相談に来られることも多いです。
つらさは人それぞれだと思います。基本的には、その人がお話ししたいことをまずはしっかり聞く。しっかり受け止める。そこを大切にしています。

一日3回、薬を飲むって意外と大変なんですよね
毎日、薬を飲み続けるのは意外と大変なんですよね。飲み忘れることがあれば、その方の生活の中で、どのタイミングなら飲めそうかを一緒に考えます。
薬を飲む時間をきっかけに、睡眠や食事のリズムをつくっていけることもあります。漢方薬でも西洋医学の薬でも、飲んでさえいれば、何をしていても治るというわけではありません。睡眠や食事など、普段の暮らしもやっぱり大切です。
そのあたりも、ご希望やご要望に沿いながらお話ししています。薬をお渡しした後も、メッセージで様子を伺ったり、次に来られたときに振り返ったりしながら、日々の暮らしの中で続けられる方法を一緒に考えていきます。

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「身近な人の役に立てれば」が、薬学を選んだ出発点でした

もともと関心があったのは、薬学ではなく電気・電子工学の分野でした。理系に進むなら、電気系が面白そうだなと思っていたんです。
進路を考えていた時期に、自分自身が体調を崩したり、祖父が脳梗塞になったりしました。それをきっかけに、身近に医学の知識を持つ人がいたらいいんじゃないかと思い、薬学部を目指しました。
薬学を選んだときから、何か大きな志を抱いていたわけではありません。まずは、自分の身近な人の役に立てればいい。そのくらいの気持ちで、薬学部に入りました。
漢方を学んだからこそ、現代医療の現場も知っておきたかった

漢方を学び始めたのは、薬学部4年生のときです。研究室への配属で漢方の研究室を選び、そのまま大学院へ進んで、2年間、同じ研究室で研究を続けました。
漢方には、長い年月をかけて積み重ねられてきた経験だけでなく、それらを整理する思想や哲学のような考え方があります。西洋医学とは異なる背景を持っているところにも、面白さを感じていました。
卒業後は、薬剤師として現場へ
大学院を修了した後は、大手の調剤薬局に就職し、調剤や服薬指導など、薬剤師としての仕事に携わりました。医師が診断して選んだ薬を、正しく調剤し、患者さんへ説明する。それはとても大切な仕事です。
一方で、漢方なら、西洋医学では十分に対応しにくい不調にも、何かできることがあるかもしれない。その人の話を自分で聞き、必要な漢方薬を選んで、直接提案できるところにも惹かれていました。

ただ、病院へ行けば早く、安全に対応できる症状もあります。現代医療の現場を知らないまま漢方薬店を始めるのは、自分としてはかなり怖いことなんです。患者さんやお客さんのためにも、漢方だけでなく、現代医療のことも全体として把握しておくのが今でも大事だと思います。
忘れていた「漢方の店をやりたい」という気持ちを、思い出したんです

もともとは現代医療の現場を5、6年経験したら、自分で漢方の店をやりたいと思っていました。
ただ、薬局の仕事はそれはそれで楽しかったですし、結婚など生活の変化もあって、そのまま薬局で働き続けていました。いつの間にか、漢方の店をやりたいという気持ちも、だんだん忘れていたんです。
立ち止まったことをきっかけに、自分のやりたいことと向き合う

その後、うつ病になり、仕事を休みました。少し元気を取り戻してきた頃、学生時代の教授で、私にとって漢方の師匠にあたる方に会いに行きました。そこで、学生の頃に抱いていた気持ちを思い出したんです。
「サラリーマンもう嫌だ」という思いもありました。それで、以前からやりたいと思っていた漢方の店を、自分で始めようと思いました。
「こういうところで、まちの薬屋になれるといいな」と思いました

私自身、三鷹に住んでいます。子どもの保護者の方たちと話していると、この地域には親子三世代で暮らしている方が多かったり、親同士も昔からの同級生だったりするんです。親と子どもが、同じ小学校や中学校に通っているという話も聞きます。
東京ではありますが、どこか下町のような雰囲気があって、世代を越えた縦のつながりと、同じ地域で暮らす人同士の横のつながりがある。そういう関係が残っていることに魅力を感じました。この場所で、まちの薬屋さんになれたらいいなと思い、三鷹で店を始めました。
困ったときの、いとぐちを見つけられる場所へ

体調に不安はあるけれど、病院へ行った方がいいのかわからない。漢方が合うのかもわからない。そんなふうに、どうすればいいのか迷っている方は結構いらっしゃると思います。
そういうときに、よくわからないまま何かを試す前に、まず相談に来てもらえたらと思っています。お話を伺って、病院へ行った方がよければ、きちんとそうお伝えします。
予約は必要ですが、相談するときには気軽に来ていただければと思っています。
自分と同年代の方から親の世代の方まで、何か困ったら、ちょっとうちに相談に来てくれる。そんな存在になれたらいいなと思っています。
